目指す「家」造りは「山小屋の暮らし」かもしれない。
この夏は、近くの日帰り登山からのステップアップ、山小屋泊の登山。
初級者向けから上級者向けまで、バリエーション豊かなコースと山がある八ヶ岳へ行きました。
朝早くから山を歩き、山小屋に着いてから、
お風呂に入ったり、ゆっくり山小屋の近くを散策したり。
暮れゆく山の景色をゆったり楽しみ、山小屋自慢のゴハンを頂き、星空を眺める。
とってもとっても豊かな時間を過ごすことができました。
ただ、山小屋は、一般的な旅館やホテルとは違います。
・豪華な食事というより、不便な中で工夫して考えられた食事。
(山の中なので食材などの荷揚げだけでタイヘンなのですよね。
・お風呂があっても、シャンプー・リンス・石鹸の使用はNG。
(山奥だと排水処理がタイヘンなので。)
・ドライヤーの使用は禁止。
(電力は発電機や太陽光パネルでまかなわれているため、容量の大きな電化製品は使用できない)
・消灯時間は夜9時。
(山の人は、ご来光見るために早朝出発が多いのでね。)
・ゴミは極力出さない、できるだけ持ち帰る。
、、、っていう日を過ごして感じたこと。
こういうのが、エコな暮らし。なんじゃないか。と。
住宅業界では、『省エネ』はもちろん、断熱性やエネルギー生産性を評価した『ZEH』の基準がもうけられたり、どんどん省エネ化に充填が置かれた家造りがすすめられています。
もちろん、断熱性能を高めて、冷暖房効率を良くすることや、
太陽光パネルを乗せて電力を生産したり、ってことは、良いことだし大切なことだと思います。
でも建物の数値的な性能だけをおいかけて、「省エネ住宅=いい家」とすることに、
家造りを仕事とする私自身、なんだか違和感を感じていました。
性能的な良さだけでなく、
たとえば、
夜早く寝る=夜活動する時間が短ければ照明などの電力を使わないで済むよね、
とか、
『暮らし』を少し考えて(変えられるものは)変えていくことも、省エネなんじゃないかな、と感じたのです。
山では、水が貴重なので、洗い物なども考えて水を使います。
排水のことも考えて、石鹸や洗剤の使用を考えます。
もちろん、市街地での日々の暮らしを、山小屋での暮らしそのまんま、というわけには行きません。
(そりゃシャンプーでスッキリ洗ったほうが気持ちいいし、食器だって洗剤で洗わないと食中毒になったりしますものね。)
でも、今の日々の暮らしが、可能な限り省エネできてるか、と言われると、私は少しうつむいてしまいます・・。
忙しさにかこつけて買ったことを忘れていた食材。
食器洗いのときに無駄に洗剤をプシュプシュしてしまうクセ。
ついついテレビが面白くて夜更かししてしまったり。
思いつきで買ってしまうモノ。
まだ、胸を張って「省エネな暮らし、してます!」とはいえないけど、
少しづつ少しづつ、シフトしていこうと心がけています。
とりあえずモノを買うときに、本当に必要かどうか、値段にかかわらず、
ひと呼吸ふた呼吸置いてから、買うことにしました。
(安いからって、ムダなものを買うことは、ムダ使いだけじゃなくゴミを増やすことになりますもんね。)
そして、早く寝るようにしました(というか、なりました。笑)
立冬のこの季節、千葉では6時くらいに空が明るくなります。
静かで暗い空が、だんだん明るく白んでいくのを感じるのは、家から眺めるだけでも気持ちいいものです。
それに、朝、時間がゆったりしているのは、なんだか得をした気分になりますね。
同じ1時間でも、朝と夜とでは、なんだか違う気がするのも、良いですね。
早寝早起き。小さいときから良いものとして教えられてきたハズなのに、大人になって仕事や娯楽にかまけて、忘れていた気がします。
私は木が好きなので、無垢の木などの自然素材をつかった空間をつくっているし、お客さんにもオススメしていますが、
その自然を守るような暮らしが出来るような、そんな空間をつくっていきたいな、と感じている今日このごろです。