北欧建築一人旅。(3日目)
おおおー。ブログの更新が遅れております、忘れないうちに、書き留めておかないと(笑)
さて、北欧の旅3日目。
ヘルシンキより新幹線で2時間ほど、ユバスキュラ市へ。
ユバスキュラは、アアルトが生涯にわたって活躍した場所でもあります。
初期のころから、晩年のころまで、たくさんの作品があるのですっ!
スタートは、この「ユバスキュラ大学」。
アアルトは、ヘルシンキ工科大学の設計ののち、このユバスキュラ大学の設計をしました。
正面ホールの扉。
とっても凝ったデザイン。
正面ホールも、周りの森の緑が、もうまぶしい~~~
それにしても、アアルトは、階段が、スゴイ。ステキ。上手。
ただただ恐れ入りましたっ。って思うだけ。
こっくりした温かい雰囲気もあり、シャープで凛とした雰囲気もあり。
もうもうすごすぎ。
講義ホールのうらがわです。
ほんとは、「野外演説会場」みたいにして、ここにみんな集まって、意見を戦わそう!
なんて思って、アアルトはこんな空間をいろんなところに作っているのですが・・・
フィンランドの人は、基本・内気。なので、設計者の意図どおりには、使われていないみたい。
巨匠でも、国民性まではかえられませんからねー。
さて場所はかわって、こちらは「ムーラメの教会」。
アアルトが20代の若いころに、設計コンペで勝ち取った作品。
「古典主義とは?!」みたいに、ケンチクを生真面目に考えていた頃らしい。
フフフ。
でも、正面のこの絵。
ガイドの方に、「一番上の風景は、聖書のなにかを表現しているのですか?」と尋ねたら、
「いいえ。彼(アアルト)が新婚旅行でいった、イタリアの風景、らしいです。」
・・・・。めっちゃ、私的なことやん・・・。そんなん、アリなんや・・・。
ある建築家の方が、「建築家になるために必要な要素とは、いい意味での『楽天性』と『無計画性』」と答えておりました。
なーるほど、ね。
場所はかわり、じゃじゃじゃーん!
こちらは「コエ・タロ」。アアルトを代表する作品の一つ。
コエとは、「実験」を意味します。こちらは、アアルトの「実験住宅」。
と、名はついているものの、実験的要素は、
こんな感じでレンガを色々ならべてみたり。
こんな感じで、ロフトの床を吊ってみたり。
そんな感じ。
ここは、アアルトが晩年、妻に先立たれ、その3年後にワカイ後妻さんをむかえました。
その時に建てたもの。夏の、サマーコテージとして建てたんですって。
彼はコエタロが完成すると、ボートの設計にいそしみます。(図面はものスゴイ量。)
湖のそばには、ボートの船着き場、そしてサウナ小屋。
ムギョムギョ働きとおした人生の最後を楽しむための、娯楽住宅。
マジメにアアルトの研究をしている人からは、このコエタロ、とても「期待を裏切る」らしい・・・。
あの、アアルトの!実験住宅なのに!!!みたいな。
でもねー。彼だって、巨匠である前に、人間なんだよー。のんびり、楽しく仕事したって、
いいじゃーんっ!
・・・、と言っているかのような、とてもユルイ、すてきな空気がただよう家でした。
さて次は、「セイナッァロの村役場」です。
ちいさな町の役場です。
あまり期待していなかったのですが、
すばらしい。
とても、すばらしい。
空は暗くなって、雨は降ってくるし、きっと条件は最悪だったろーに。
よく見るケンチク雑誌なんかの写真は、ピカーンと晴れた空に、光がキラキラ差すような天気。
そんなのとは正反対の状態。
でもでもでも、スバラシイ
うーむ。こうして写真を見返したら、写真だけだとあんまし。な感じなんだけど。
実物は、もももももう、鳥肌モノ。でした。
レンガの色、芝生の緑、窓枠の木の色、その窓辺の照明。
こっくりとした、その濃密な空気。
時間を重ねたせい?
「巨匠」と呼ばれた建築家の、ものすごく脂ののった時期に、とても丁寧に設計されたせい?
カタチやテクスチャー美しさ、そんなもんじゃない、美しさが、そこにはありました。
本日のシメは、アアルト美術館。
これはアアルト晩年の作品で、「自分の美術館を、自分で設計」したもの。
フィンランティアホールと同様に、やっぱり「薄味」な雰囲気。ウフフ。
でも、この扉。真鍮製。
お馴染みの、「アアルトの取っ手」も。
この重厚さが、いいですね~~~~ん☆
この日はここで終了。
フィンランド・ユバスキュラの長い一日は終わりました。
さて!次の日は!
アアルトの、あの、最高傑作といわれる!
世界で一番美しい住宅の一つ、といわれる!!
マイレア邸ですっ!
追記:と、連日こんな調子なもんで、この日も興奮して、なかなか眠れなかったのよーん。
(つづく。)