家族の長い歴史の間、家族構成の移り変わりとともに増改築してきたおうち。これからの2人+1匹の生活を考えて、1階で生活が完結するような間取りに変更。古い木造住宅特有の冬の寒さを改善させるために、1階外壁・床下の断熱改修。サッシや玄関引戸も断熱性の高いものに交換。床下にダクト配管したエアコンで、各部屋に温かい空気を送り、ヒートショックをなくしました。家族みんながくつろぐ掘りごたつスペースにはペレットストーブ。どの部屋も暖かく快適な住まいとなりました。

左側が今回改修した居室。右側のダイニングは、以前のリフォームをそのまま活かしました。
掘りごたつ+畳スペース

以前は6畳+8畳だった和室。冬場は寒くて6畳の和室にコタツを置いて過ごしていましたが、リフォームで2部屋をまとめて1部屋にし、掘りごたつの足元からは、ダクト配管したエアコンの暖気が送られてくるように計画。お仏壇もカウンター上に置くことで、毎日の手入れをしやすくしました。


リビングスペース
パッシブエアコンスペースと、犬コーナー

リビングの掃出し窓は、以前より幅を少し狭くし、耐力壁を増やしました。できた壁部分に、押入れスペース+犬コーナーを造りました。犬コーナーは、壁・床はタイル仕上げに。秋田犬のももちゃんは、人間よりも暑がりなので、ひんやりした素材が好き。タイルは汚れたらさっと水拭きできて、掃除しやすい素材です。床下にダクト配管しているパッシブエアコン本体は、このベンチ収納の中に組み込みました。ベンチ収納の上には、以前の家で使っていた木製窓を再利用。キッチンとの間の壁に入れました。キッチンで作業していても、この小窓をあけてリビングが見えます。


リビング南側の掃出し窓まわり

リビング南側の掃出し窓の床は、タイル仕上げに。リビングから庭への出入りが多いので、半土間的使い方ができます。また、冬場は日差しがタイルをあたためて熱を蓄えてくれるので、ほんのりした温かさが続きます。


既存の階段と新しい階段

今回のリフォームで、階段を一部変更しました。階段上のほうは、もともとある階段をそのままいかして、半分より下部分を今回新規で作り直しました。見た目は不揃いですが、2階への出入りはそれほど多くないので、特に気になりません。


建築概要

所在地千葉県船橋市
建物種別木造戸建て住宅
(述べ面積210㎡)
築60年
工事種別部分リフォーム
世帯構成2人+犬1匹
工事期間約5ヶ月
竣  工2016年12月

価格帯

ある程度築年数を経た木造住宅は、耐震性・断熱性・利便性すべてを現行の基準に合うように手を加えるとなると、かなりの費用と工事期間が必要となります。多くの場合、工事のために仮住まい・再入居、という引っ越しが2階必要になることもあります。今回のリフォームでは、

  • 1階で日々の生活が完結できるようにすること。
  • 冬のヒートショックをできるだけ無くす断熱改修をすること。
  • 耐震性については、上記工事で手を加える箇所に合わせて出来る改修をすること。(建物全体の耐震性は問わない)
  • 仮住まいはナシにして、工事期間が少し余分にかかったとしても、住みながらの工事とする

と、目的を明確にすることで、かならず手を加える部分・できれば改善する部分・特に手を加える必要のない部分、を分けることができました。