アスプルンド「森の斎場」にて

先日の記事に引き続き。
アスプルンドといえば、この市立図書館と、「森の斎場」です。
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(写真真ん中の、左よりに、十字架がみえますでしょ。)
ここは世界遺産にも認定された場所。
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アスプルンド自身もここに眠っています。
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アスプルンドは、20代のころから、この「森の斎場」の設計に取りかかり
50代まで、生涯を通して設計に関わってきました。
(この「森の斎場」の設計が終わってすぐに、アスプルンドは他界しました。)
広大な敷地の中には、複数の斎場があるのですが、
正面入ってすぐにある斎場。
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斎場の中の様子。
夏の時期には、一般向けにこの斎場を見て回れるツアー(英語ガイド付き)があるのですが、
残念ながらワタシが訪れたときはオフシーズンだったので、入れない施設はガラス越しに撮影。
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外の回廊の中央には、ご覧のような像があります。
まるで天に昇っていくかのような姿。
この斎場の向かいには、「瞑想の丘」とよばれる場所があります。
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こちらは森の中の墓場です。
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墓石とともに、小さな花が植えられています。
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こちらは森の中の斎場。
だれにでも訪れる死、というもの。
死を迎えた人、また、大切な人の死に向き合わなければいけない人。
そんな人たちを、大きな自然がそっと包んでくれるような空間。
アスプルンドの写真集などでは、ここが表紙を飾っていたりします。
その写真は、たいてい、抜けるような澄みきった青空です。
どこまでも広がる青い空に、キレイに整えられた芝生。
丘の上には、素朴な十字架。
ワタシが訪れた日は、秋口の寒々とした日。
しかも雲が厚く垂れ下がり、小雨も降るような、鬱々とした天気でした。
けれど、この森の斎場をくまなくあるき、
その空の下、森のなか、に身を置いた感じは、お天気とは違う、
むしろ清々しい気分でした。
旅行した年の春に他界した祖母を思い出しました。
ワタシがまだ小さいころは、それはそれは厳しい人でした。
(いわゆる、ムショーに孫をかわいがる、っつうのとは真逆でしたからね・笑)
現役を退いてから、よくワタシに言っていたのは、
「おばあちゃんが死んだら、お金は持っていけないけど、芸はあの世に持って行ってしまうのよ。
芸とか、知識とか、経験とか、身につけたものは、その人の血となり肉となるのよ。
そのためにお金というのは使うべきものなの。
あなたにも、そういう血となり肉となるものを、努力して付けて欲しい」
森の斎場の木々に囲まれていると
厳しいながらも優しさのあった、その祖母の言葉が蘇ってきました。
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次回は、スウェーデンからデンマークへ!
「ドラオア」という、小さな小さな街の風景をお届けします。

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